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2018年8月14日

南部鉄瓶の使用方法と、飲んで美味しい身体に嬉しい健康効果

左から、水玉紋丸形鉄瓶 風花鉄瓶 霰紋玉形鉄瓶 <鈴木盛久工房> | 暮らしのほとり舎
左から、「水玉紋丸形鉄瓶」「風花鉄瓶」「霰紋玉形鉄瓶」| 鈴木盛久工房

「南部鉄瓶」といえば、岩手県の伝統工芸品・南部鉄器の代表格ともいえる、昔ながらの「湯を沸かす道具」です。現代の「やかん」と同じ役割を果たすものです。
 
どちらも「湯を沸かす」ことができますが、ステンレスやホーロー製などのやかんで沸かした湯と、鉄製の南部鉄瓶で沸かした湯では、見えないところで決定的な違いが生まれます。
 
それは、「味」です。
 
やかんでも南部鉄瓶でも、程度の差はあれど、どちらも沸かせば水道水のカルキ臭や塩素臭を取り除くことが出来ます。
 
しかし、やかんで沸かした湯は十分に沸かしても不味いと感じたり、沸かし加減が足りないのかとさらに長い時間沸かし続ければ、ますます不味いものになってしまう、とも言われています。(やかんの材質や使う水の成分等、様々な状況にもよるかと思われます)
 
南部鉄瓶では、水が沸騰すると鉄瓶の内側から溶け出した鉄イオンが残留塩素と反応して塩素を分解・除去してくれます。この鉄瓶による塩素除去効果は、他の材質で出来たやかんによるものと比べて、特に”優秀である”とされています。
 
そして、鉄瓶を使い始めておよそ2週間目頃になると、鉄瓶の内側に褐色の斑点や白い沈殿物が付着し始めます。
 
これは錆ではなく、湯の中に混じっている様々な物質(カルシウムなどのミネラル等)が沈着したもので、「湯あか」と呼ばれます。
 
「あか (垢)」というと聞こえが悪いですが、鉄瓶におけるこの「湯あか」は、絶対に取り除いてはいけません。
 
なぜなら、この「湯あか」こそが、湯をまろやかで美味しいものにしてくれるからです。
 
「鉄瓶は使い込むほどに良い」とされるのは、このためです。
 
使い続けて「湯あか」を育てれば育てるほど、美味しいお湯を頂くことが出来るようになります。
 
(湯あかが湯の味にどのように作用するのか、その辺りのメカニズムは現時点では不明です。情報が得られ次第、追記致します)

「南部鉄瓶」は、女性の強い味方

霰紋玉形鉄瓶 <鈴木盛久工房> | 暮らしのほとり舎
「霰紋玉形鉄瓶」| 鈴木盛久工房

湯をまろやかで美味しいものにしてくれる効果とともに、よく言われるのが「鉄分が摂れる」という点です。
 
「鉄分」から連想されるのが、特に女性に多い「貧血」という症状。
 
そして、「鉄分」が多く含まれていることで知られている「ほうれん草」をたくさん食べることで、「貧血」の予防・改善に努めているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
「ほうれん草 = 鉄分豊富」というところまでは、昔からよく耳にしてきたことであり、多くの方が認識していることと思いますが、鉄分には「身体に吸収されやすい鉄分(二価鉄)」と、「身体に吸収されにくい鉄分(三価鉄)」の2種類があることはご存知でしょうか?
 
私も調べてこれに辿り着くまで「鉄分補給には、ほうれん草やひじきが良い」と思っていました。
 
しかし、このほうれん草やひじきが持つ鉄分は、実は後者の「身体に吸収されにくい鉄分(三価鉄)」の方なんです。
 
つまり、ほうれん草だけをどれだけ一生懸命食べても、貧血の予防・改善への効果は期待できない、ということです。
 
これは、ほうれん草や小松菜などの野菜類、枝豆・そら豆などの豆類、ひじきなどの海藻類など、「植物性食品」が持つ鉄分の特徴です。
 
食品で「身体に吸収されやすい鉄分(二価鉄)」を摂るには、レバーや肉、魚介類などの「動物性食品」が有効です。
 

※植物性食品が持つ三価鉄も、鉄分の吸収を助けるビタミンCなどと一緒に摂ることによって
 二価鉄に還元され、吸収することが出来ます。

 
そして、話題の南部鉄瓶から摂取出来る鉄分ですが、これは「二価鉄」です。
つまり、「身体に吸収されやすい鉄分」です。
 
肉類や魚介類は、人によって得手不得手もあり、毎日どちらかを一定量食べる、というのもなかなかハードルが高いものです。
 
しかし、水やお茶などの「水分を摂る」という行為は、食事の内容に関係なく、誰もが毎日必ず行うものです。
 
そこで、「毎朝、南部鉄瓶で沸かして作った白湯 (さゆ)を飲む」、これを習慣化すれば、特に女性の健康面でとても良い効果があるのではないでしょうか。
 
お茶やコーヒーを淹れるのでは茶葉の用意だったりコーヒーの粉を用意しなければいけなかったりと何かと手間が掛かりますが、白湯であれば、ざっくり言うと「湯を沸かして適温に冷ますだけ」のことですので、何かと慌ただしい平日の朝でも、その間に朝食の用意や身支度が出来てしまいます。
 
これを習慣化すれば、女性に不足がちな鉄分の補給ができるのはもちろん、冷え性の改善にもつながり、また身体が温まって代謝が上がることによってダイエット効果も期待でき、さらには水分をしっかり採ることによって便秘解消効果にも期待ができる等々、嬉しいこと尽くめです。

「南部鉄瓶」の使用方法について

水玉紋丸形鉄瓶 水玉紋様 <鈴木盛久工房> | 暮らしのほとり舎
「水玉紋丸形鉄瓶」| 鈴木盛久工房

当店で取り扱っている「南部鉄瓶」は、400年続く南部鉄器の老舗・鈴木盛久工房の鉄瓶です。
 
鈴木盛久工房の鉄瓶は、使用方法などについて記載された説明書が商品に同封してありますので、安心してお買い求めください。(この説明書には、日本語だけでなく英文表記もついており、海外需要の高さが窺えます)
 
また、鈴木盛久工房の公式サイトにも、丁寧な解説が記載されております。
これらを元に、南部鉄瓶の取り扱い方法を以下にまとめましたので、参考にしてください。
 

❚  購入したら、まず初めに

 
鉄瓶を初めてご使用になる時は、まず、「鉄瓶の容量の8割程度まで水を入れては捨てる」という作業を、3~5回程度、繰り返してください。(内部に付着した異物を洗い流すための作業ですが、この時に、内部をたわしで擦ったり、指で擦ったりなどは、決してしないでください。)
 
次に、「お湯を沸かし、沸いたら捨てる」という作業を、2~3回繰り返してください。沸かしたお湯が無色になれば、飲用することができます。
 
鉄瓶がその良さを発揮し始めるのに、約2週間掛かります。
この期間中は、鉄瓶を毎日お使いになることをお薦め致します。
 

❚  熱源について

 
鉄瓶でお湯を沸かすには、炭を燃やすのが一番良いのですが、ガスレンジやIH調理器でもご使用頂けます。ただし、その場合は弱火を心掛けてください。
 
※IH調理器によっては、底径12cm未満のものは加熱できないなどの仕様がございます。
 IH調理器に関するお問い合わせは、IH調理器の製造メーカーへお問い合わせください。
 南部鉄瓶に関するお問い合わせは、当店または鈴木盛久工房へお問い合わせください。
 

❚  日常のお手入れ

 
基本的には「濡れたまま放置しない」、ただこれだけです。
ご使用後は以下の方法を参考に、鉄瓶をしっかり乾燥させてください。
 
・鉄瓶が熱いうちに内部を空にし、蓋を外してください。そうすることで、鉄瓶の内部が余熱に
 よって乾燥していきます。(蓋も内側を上にしておくことで、同様に乾燥していきます)
 
・鉄瓶を弱火で空焚きして乾かす方法もございます。この時、必要以上に加熱し過ぎると鉄瓶内部に
 施された金気止めの酸化皮膜が損傷し、錆や金気の発生原因となりますので、ご注意ください。
 
・鉄瓶の外側は、乾いた布巾で拭いてください。また、鉄瓶が熱いうちに煎茶を少し浸した布巾で
 鉄瓶の外側を時々拭いてあげると、次第に表面に独特の光沢が生まれてきます。
 
鉄瓶の内側は、絶対に触らないでください。(鉄瓶の内側には金気止めの酸化皮膜が施されて
 おり、この皮膜が損傷すると、錆や金気の発生原因となります。)
※鉄瓶の内側や外側を洗剤で洗ったり、たわし等でこすったりなどは、絶対にしないでください。
 

❚  錆と金気について

 
鉄瓶は「鉄」で出来ている以上、どれだけしっかり乾燥させながら使っていても、「錆びたのでは!?」と思う赤く変色した様子が見られるかもしれません。
 
この時に、慌ててたわし等でこする行為は、前述した通り ”ご法度” です。
 
まずは、そのまま湯を沸かしてみてください。沸かした湯が澄んでいれば、問題ありません。
 
沸かした湯が濁っていれば、それは「金気 (かなけ)」と呼ばれるものであり、これは問題ありです。金気が発生した鉄瓶で沸かしたお湯は、もちろん美味しくありません。
 
「濡れたたまま放置しない」、これさえ怠らなければ、このような状態にはそうはなりません。
 
少しぐらい錆びたと感じても、錆は害ではありませんし、使い込んでいくうちに「湯あか」が付いて次第に錆は気にならなくなり、そうして鉄瓶はどんどん”成長”していきます。
 
昔から岩手の鉄瓶職人の間では、「錆」と「金気」を区別して呼び分けたそうです。
 
「金気」が発生してしまった場合も、諦めずに当店または鈴木盛久工房へ、一度ご相談ください。
 

❚  長期間使わない時は

 
風通しの良い場所に、布や紙に包まずに置いてください。
 
ただし、長期間使われなかった鉄瓶は、以前のような湯質を取り戻すまでに約1週間掛かります。
 
できれば月に一度は手に取って湯を沸かし、しっかりと乾燥させてから元の場所に戻してください。

「南部鉄瓶」は、現代を生きる女性にこそおすすめです

風花鉄瓶 <鈴木盛久工房> | 暮らしのほとり舎
「風花鉄瓶」| 鈴木盛久工房

鈴木盛久工房の鉄瓶は、最も安価なものでも「55,000円 (税抜)」。
 
決して安いと言える金額ではないけれど、長い歴史に裏打ちされた確かな耐久性とその扱いやすさ、そして、全国伝統的工芸品展「内閣総理大臣賞」受賞や、国の無形文化財に指定されるなど、代々数々の輝かしい実績を誇るその美しい芸術性は、細部に渡って”いい仕事”をしているという何よりの証し。
 
ただ湯を沸かすだけでなく、健康面にも良いこと尽くしで、大事に使えば親子三代は使えることを考慮すれば、高い買い物ではないと思います。
 
そして、毎日使うものであるからこそ、使って楽しく、見てるだけでも惚れ惚れするような、そんな
美しいデザインと確かな品質を兼ね備えた”一流のもの”をおすすめしたいです。
 
南部鉄瓶は、男性にももちろんですが、現代を生きる女性にこそ、特におすすめのひと品です。
 
私もこれから「鉄瓶白湯」を実践していきますので、またブログ等で鉄瓶の成長過程などを発信していきたいと思います。

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